クリプキクローネ日記帳

ある種の音楽と数学とランニングはミニマルなところが似ていると思う。

離散数学パズルの冒険 - 3回カットでピザは何枚取れる? [T.S.マイケル(著) 佐藤かおり、佐藤宏樹(訳)] (青土社)

離散数学が好きなんですよね。解析とかよりも。

工学の分野では解析が圧倒的なパワーを発揮しているし、
その他の分野では確率や統計が日々世界をよりよくしていますが、
個人的に楽しく感じるものは離散数学に多い気がします。

ただ、離散数学の読み物っぽい感じの本を探すと、
大抵は整数論やパズル系のテクニカルな問題ばかりなので、
おもしろそうな本って意外と少ないんですよね。

この本もパズル的なんですが、章ごとに1つの話題をかなり掘り下げているのでおもしろかったです。


個人的におもしろくてついでに役に立ちそうだったのがピックの公式です。

単純格子多角形がL個の格子点とB個の境界格子点をもつとき、
多角形の面積 = L - B/2 - 1

切り捨て記号とかなしでイコールで結ばれるところがすっきりしていていいと思います。
格子点を数えたくなるシチュエーションって普段割とあるので、覚えていると便利かもしれないですね。

そしてもっとおもしろかったのが脚注3。
「16本のカットをいれてまでP(16)=137のピースに切り分けるのではなく、ピザを多めに注文すべきである。」
こういうベタなツッコミいいと思います。

終盤はいつものようにアリスとボブが出てきてmodをこねこねしだすのでちょっと飽きました。
アリスとボブのおかげでインターネットの買い物が安全なのはすごく重要なことですが、
素数やmodをいじるよりもPvsNPに立ち向かう話題の方が好きです。

群論とか集合論とか数理論理学とか、整数を直接扱わないけど整数の本質に迫るような話がおもしろいと思います。
そのまま連続体仮説をかすってなにそれすごいってなってでもそれ以上踏み込むと危険だからそこでおしまい、みたいな。
そういう話がもっと世の中に必要だと思うのです。
個人的には連続体仮説は正規分布やフーリエ変換と同じくらい、むしろそれら以上に世の中にとって重要だと思います。

離散数学というといつも素数とか完全数とかフェルマーの最終定理とかになってしまうので、
もっと根っこのところの話題を離散数学のおもしろい話題として活発化させたいですね。
ここでおもしろいと言いつつ全然おもしろさの中身の発信ができていない僕が言うのもなんですが。

フェルマーの最終定理はちっとも離散数学ではないので今回ここで出すのは変だったけど、
いつか誰かが離散数学の範囲内で証明してくれると信じてそのままにしておきます。
  1. 2016/10/06(木) 00:38:25|
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