クリプキクローネ日記帳

ある種の音楽と数学とランニングはミニマルなところが似ていると思う。

オブジェクト指向は芸術か

ソフトウェア設計の世界にオブジェクト指向という言葉があります。
これ、厄介ですよね。
こういう定義がはっきりしない言葉は怖いです。
単なるスキル不足もあると思いますが、使いづらい言葉です。


例えば、2種類の設計を比較していて、AがBよりもいいと自分が考える理由を人に伝えるときに
以下の3通りの伝え方があるとします。

1. Aは〇〇でBは△△だからAのほうがいい
2. なんとなくAのほうがいい
3. AのほうがBよりオブジェクト指向だからいい

この中で最悪なのは個人的には3です。2のなんとなくのほうがマシです。
理由を説明するのが難しいんですが、次の例に近いと思います。

バンドマンたちが2つの演奏方法の比較をしていて、AがBよりもいいと自分が考える理由を人に伝えるときに、
以下の3通りの伝え方があるとします。

1. Aは〇〇でBは△△だからAのほうがいい
2. なんとなくAのほうがいい
3. AのほうがBより芸術性が高いからいい

やっぱり3が最悪です。
芸術性ってなんだよ、って話になるじゃないですか。
いきなり芸術とかいいだしてケンカ売ってんのか、って話じゃないですか。
割り切って2のほうがまだマシです。

もちろん世の中には多くの人に芸術性を認められた作品もたくさんあるので、
本来でたらめな言葉じゃないはずなんですが、どうしてもこの言葉は属人性が高すぎます。

そして「芸術性」よりは基準が明確なはずの「オブジェクト指向」にもやはり似た傾向があると思うのです。
「なんとなく」よりも論理的に相手を説得しようとしているんだけど、
結局どういう意味でそれを言っているのか分からないし聞く方も納得しづらい、
という意味で似ています。
「Aは〇〇で△△だからオブジェクト指向だ」と理由をつければかなり改善されるんですが、
それなら最初から「オブジェクト指向」なんて言わずに1でいいじゃん、ということになります。
使いどころが難しい言葉です。

「オブジェクト指向」も「芸術性」も厳密な定義がなくて一人ひとり微妙に違う意味付けをしているのに、
「高いほうがいい」という共通認識もあるので余計に厄介なあたりも似ています。

そういう意味で、オブジェクト指向は芸術なのかなと思います。
あと、「結局美しいのが一番いい」みたいなところも芸術だと思います。
が、これについてはうまく書けないのでやめます。
悩んでいたモジュール分けやクラス分けがすっきりまとまったときと、
各楽器に散らばっていた音形が最終楽章で綺麗に融合していくのを聴くときの、
「これしかない」感は近いですよね。
という気持ちです。

そもそもオブジェクト指向について何か書こうと思ったわけではなく、
読んだ本の感想を書き始めたら関係ないことばかりになってしまったので、
分離して1つの記事にしました。
  1. 2016/10/22(土) 01:48:02|
  2. 無意味な話
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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