クリプキクローネ日記帳

ある種の音楽と数学とランニングはミニマルなところが似ていると思う。

自然と社会を貫く数学 [ 岡本和夫(編著)] (放送大学出版協会)

いまタイトルを書いて気づいたんですが、これ放送大学の教材だったんですね。
数学の応用について分かりやすく書いてあって読みやすかったです。


代表的な3つの偏微分方程式として挙げられていた
拡散方程式(熱方程式、放物型方程式)、
ラプラス方程式(調和方程式、楕円型方程式)、
波動方程式(双曲方程式)
の説明が思ったよりも分かりやすかったです。

微分方程式はなかなか気持ちを汲み取れないので苦手意識が強いんですが、
離散的な差分方程式でイメージを説明してくれるのでとても助かりました。
拡散方程式もランダムウォークで説明されると少し分かった気になります。
フーリエ級数が拡散方程式の解法から生まれたことも知りませんでした。

波動方程式をテイラー展開するときの近似する次数で
分散(Dispersionの方)が出てきたり出てこなかったりするのもおもしろかったです。
分散はただ補償すればいいもんだと思ってましたが、
出るべくして出るということがよく分かりました。

波動方程式を使った太鼓の話では、太鼓の形状の都合で2次元平面が極座標変換されてしまうので、
中心からの距離rに基づく方程式が面倒な形になるわけですが、
ここであの初心者を寄せ付けないベッセル関数が出てくるわけですね。
ベッセル関数って統計まわりの関数だと思ってたんですが、
ググってみるとむしろこっちが本来の位置づけに近いみたいですね。
「大ざっぱにいって三角関数の親戚であるといってよい」の言葉に少し勇気づけられました。

非線形微分方程式であるKdV方程式(コルテヴェーグ-ドフリース方程式)で表現されるソリトンも初耳でした。
分散による波形の乱れを打ち消すような非線形の項を入れて、波形を維持したまま進む波だそうです。
方程式は分かったけど、その波を実際にどう作るのかよく分からず。
まぁそもそもそういう本ではないですが。

後半は有限体や合同式が定義されたあといつも通りアリスとボブが内緒話をして、
最終的に符号の話になりました。
ここでハミング符号を読みながら「なんか知ってるのと違うな」と思ったら、
なんとハフマン符号と混同していることに気づきました。
目的も方法も全然違うのに名前だけで混同してました。
ハミング符号はまさにRAIDですね。
いろんな限界式が出てきたので、その辺の説明も読んでみたいです。
というか符号理論ちゃんと読んだことないので今度読もうと思いました。

というわけで、いくつかのテーマについて、今までより少し分かった気になりました。
が、すでに今この時点でさっきまでの「分かった気」がだいぶ薄れてきているので、
実際にはまださっぱり分かっていません。また読み直す必要がありそうです。
そしてこの本はあくまでもこの辺の話題の「紹介」に過ぎないので、
証明や厳密な議論はないので、いずれはちゃんとした本で勉強したいです。
ですが現時点ではイメージを掴むのに最適でした。

数学は物理的イメージから離れて純粋に数学的な確固たるイメージを確立してからが楽しいので、
本来はそこまでいきたいですが、なかなかいけそうにありません。
フーリエ変換で周波数解析できると言われても最初はなんだか怪しいツールにしか感じませんでしたが、
ちゃんと本を読んで、直交基底に分解してその大きさを取ってくるだけだと分かれば全然怪しくなくなりました。
むしろ綺麗でよくできてるなと感心します。
他の数学についてもせめてそういう「すっきり感」まではたどり着きたいです。
  1. 2017/03/18(土) 23:23:53|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0
<<メモリ技術が一番わかる(しくみ図解シリーズ) [石川憲二(著)] (技術評論社) | ホーム | ハロー "Hello,World" OSと標準ライブラリのシゴトとしくみ [坂井弘亮(著)] (秀和システム)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://myumbrella.blog42.fc2.com/tb.php/356-48b0c747
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)