クリプキクローネ日記帳

ある種の音楽と数学とランニングはミニマルなところが似ていると思う。

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ソフトウェアプロジェクトの救済入門 [E.M.Bennatan(著), 富野壽,‎ 荒木貞雄(訳)]

「入門」とか言ってますが尋常じゃない難易度です。
本の内容は別に難しくないんですが、実践が非常に難しいです。
暴走プロジェクトを救済できる人すごい。


いくつか出てくる事例は事実に立脚してるらしく、リアリティ抜群。
COBOLのシステムの保守をいくつも手掛けたという「強み」を生かすために
ゼロベースのシステム開発もCOBOLでやろうとして立ち行かなくなる話とか、こわい。

Step.1「プロジェクトの中断」
救済プロセスを実行するためにプロジェクト全体を中断するというのが意外。
全部止めてしまうのはなんだか非効率のように感じるけど、
「中断」というメッセージでみんなの意識が救済プロセスに集中するのが大事なんだろうな。
中断反対の声が多く挙がるだろう、ってそりゃそうだろうな。

Step.2 「評価者の人選」
予想通り社外の専門家が一押し。
そして社内の上層部の全面的なバックアップ。

Step.3 「プロジェクトの評価」
口頭のインタビュー、デモ機の実物確認、ドキュメントの確認で行う。
いずれも90-50ルールに注意。
90%を作るのに工数の50%、残りの10%を作るのに50%要する。

「全ての文書が不正確でないことに留意」
は誤訳だと思ったら違った(笑)。
「報告が不正確であると決めつけない。それらは正確かもしれないし、事実多くの場合そうである」
すごい(笑)。

Step.4 「チームの評価」
特にデリケートなところ。
専門分野のエキスパートを集めて最強チームと思ったら
チームワーク皆無で壊滅したプロジェクトの事例、など。
直面しやすい問題として「過度の政治的問題がある」とか「情報が矛盾する」とか、しんどい…。

Step.5 「最小ゴールの定義」
一番大事なところ。
要求仕様を「必須」、「重要」、「できればあるとよい」の3つに分ける。
そして最初のリリースでは「必須」だけ実装する。
よくある問題「必須リストが長すぎる」。よくあるだろうな…。
対応策は「優先順位をつけて同率○位を許さない」、「プロジェクトのキャンセルを振りかざす」など強硬派がずらり。
きついなー。
でもここで現実的な目標ができれば空気はよくなる気がする。

Step.6 「最小ゴールは達成可能か」
ここで達成不可能、ってなったらお話にならないので、
おそらくStep.5とまとめて進めるんだろうな。
「必要がないかぎり詳細にはふれない」。
きりないからな…。

Step.7 「チーム再構築」
暴走プロジェクトの原因がステークホルダーの無茶振りだったら
開発チームはそのままでいいじゃんと思ったけど、
著者によるとそれでもなんらかのチーム再構築を行ったほうがよいとのこと。
この辺はお国柄もあるかもしれない。
まぁ確かにリーダーが変わったほうが仕切り直し感は出る。
「チームとプロジェクトのニーズに合わないと特定したチームメンバは入れ替える」
とかさらっと書いてあるけどすごいな。

Step.8 「リスク分析」
発生確率と影響度の積で重要度を出してあるスレッショルド以上のものに軽減策を策定する。
プロジェクト救済というより普通のリスク分析だった。
リストアップの手法は悩ましいところだけどこの本だとブレインストーミング。
1件ごとに追跡担当者を設定するのは放置抑制によさそう。
よくある問題「参加者が重要度に合意しない」。
発生確率も影響度も主観的だからどうにもならないんだよなー。

Step.9 「計画の改訂」
開発プロセスがなければなんでもいいから導入する。
と言いつつ「新しいプロセスの導入は避ける」とも言う。
計画策定にはツールを使えとのこと。エクセルではダメらしい。

Step.10 「早期警告システム」
欠陥数や工数、規模、テストケース数、性能などのメトリクス収集と、予実管理。
これもプロジェクト救済に限らず。


この本を通して繰り返し書かれていたことをいくつか。
・各Stepで反対の声が大きい覚悟をしてどうにもならなくなったら上層部の協力を仰ぐ。
・一度決めたことは、新しい重要な情報がない限り覆さない。
・密室でやらない。
・意見は幅広く聞くけど判断はバランス重視。
・プロジェクトのキャンセルを阻止したいという意味でプロジェクトの味方であることを強調。
・短期間でやる。最長2週間。1つのステップに1~2日より長くかけない。

という感じでした。
予想通り全体的にお腹の痛くなる本だった(笑)。
救済方法なんてあるのかなと思って読んでみたけど、特に特効薬はないことがわかった。


  1. 2017/12/13(水) 23:02:41|
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